武蔵カップで使ったロスト天球竜のはなし Vol.2

前回に引き続き、 第8回武蔵カップで使用したロスト天球竜について書いていきます。

Vol.2 では、メインデッキとサイドボードについてカードの採用理由などに触れていきます。ロストデッキはまた次回ということで。

メインデッキ

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50枚構築。

1枚1枚書いてもよかったのですが、長くなるのでポイントだけ触れます。

クロスの選択

このデッキでは、「導きクロス」4枚、「王クロス」1枚(サイドに2枚目)の採用となっています。

導きクロス

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「導きクロス」の強みは前回紹介した通り、

  • 自ターン・相手ターンの往復でドロップからのコールによりアドが取れる点
  • 『ギャラクシーF』によりアイテム「超占弓 カエルム・レクス」と設置魔法「宣告 「占闘準備」」を破壊から守れる点
  • アタックフェイズ開始時の能力を「エンドゲーム・スタディ」により再び使える点

ですが、このデッキでは「エンドゲーム・スタディ」は採用していません。それでも上2点のメリットは大きく、序盤は妨害札を多数かかえながらロストワールドを探すのを基本プランに据えていたので「導きクロス」がベストマッチでした。

また、ロスト後も基本的には「導きクロス」を立てて戦うことを想定しています。クーペをドロップからコールして手札に回収できる点が非常に優秀で、ヴァニティ刻との噛み合いもよいです。

そのため、敢えて2枚目を手札に抱えるような動きを取ることも多く、初手の事故防止の意味も含めての4枚採用となっています。

例えば、「導きクロス」と「ロストワールド」を既に持っている場合に「天占の昇光」でサーチするのは、持っていない「王クロス」ではなく2枚目の「導きクロス」を選択することがよくあります。もちろん対面次第です。

王クロス

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「王クロス」は、ロスト化しないまま相手のライフを詰める場合に使用します。

とくに説明する必要もないと思いますが、相手のライフを減らすことにおいてこのクロスの右に出るものはなく、文句なしの採用です。

1~2枚採用で問題ないのはもちろんサーチ魔法「天占の昇光」のおかげです。ほんと「天占の昇光」様様です。

その他のクロス

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Drago Knight で追加されたイリスレーゼ。攻防どちらにも有用な効果をもっており、バランスの取れた1枚です。

ライトにコールしたクーペが4点で攻撃したり、カエルム・レクスの攻撃が13000になったり、ジャイロン・マグナの防御が15000になったりと、周りのカードとも噛み合っています。

ただ、環境デッキを見渡すと、貫通がないとライフをほとんど削れない相手や15000くらいなら単体攻撃で超えてくる相手だらけで、攻防どちらの面でも少し物足りない印象です。

全然悪くはないのですが絶対にイリスレーゼを立てないといけないという相手は見つからず役割が不明瞭なため、今回は採用しませんでした。

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3弾のファルネーゼさん。さまざまな効果を持ちますが、特筆すべきはレスト耐性かと思います。今環境では、ミラーの「クロス・インタセクト」やコナンの「月下の奇術師 怪盗キッド」が2面同時にレストしてくるなど、有用な相手はいると思います。

ただ、1度のレストであれば、「王クロス」の全スタンドを使って攻撃し直すほうが火力が出る場面が多く、このファイルネーゼでなければという場面がなかなか見つからなかったため採用しませんでした。

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PRの輝けるクロス、出た当時はちょっとお高かったですね。パスパレ相手にライフゲインしながら戦うために検討しましたが、回復するだけで突破力がなくこのスペックでは厳しそうということで採用はしませんでした。(このカードは全然きちんと検証していないので実際のところどうかはわかりません)

サーチ魔法「天占の昇光」のおかげで、1~2枚の採用でも十分狙った局面で出す想定ができるようになっていますので、環境次第では種類を散らして採用する形の方が広く見られる可能性はあります。

妨害・防御

クロス・インタセクト

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強すぎて4枚。今回はサイドチェンジで落とすこともありませんでした。

3択の効果が全て腐る相手はほとんどおらず、1枚で2面に対処できるのが非常に強く、コストもゲージを使わないため他の動きを阻害しにくいです。

MAXで5面並ぶガルパピコ対面でも「ロイヤルティ」のコール制限とセットで2面をレストで抑えると非常にターンをもらいやすくなります。破壊・バウンスを使う場合にはキャラの耐性だけでなくドロップのまりなさん🙋に注意!

なお、ソウルを簡単に剥がしてくる相手にはコストが用意しにくい場合があります。ウォッカね、ウォッカめ……

シャイニング・レイン

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メインから強気の4枚採用です。

このカードはとくに先攻ゲームで強く、複数枚握れるとほとんどのデッキが上手く回らない可能性が出てきます。「ロイヤルティ」を警戒して魔法でデッキを回すことが重視される傾向もあり、その点では魔法無効が使えるテーマには追い風です。1枚握るのと2枚握るのでは相手の苦しさが全く変わってくるので、このカードを採用するなら枚数はしっかりとるべきだと思っています。

武蔵カップで最も使用者が多かった次元竜が後攻から即ロストするようなケースで、「シャイニング・レイン」は最も有効な妨害札となり得えます。この型の天球竜は先攻であれば次元竜にも五分以上はあると思っており、先攻ゲームを確実に取ることは重要です。

一方、後攻ゲームでは既に相手がしっかり回した後で魔法を数枚無効化したところで大して痛くもないという状況になりがちです。実際にサイドボードの使える2本目以降の後攻ゲームでは全て「シャイニング・レイン」を4枚ともサイドアウトしていました。これは想定通りのサイドチェンジでした。

それでもメインに4投したのは、じゃんけんに勝った時のためなのはもちろんですが、サイド戦での駆け引きを想定しての採用でもありました。

1本目で魔法無効がたくさん見えた場合、2本目以降ではこれを警戒せざるを得ません。ターン1の魔法を無駄に複数枚抱えさせたり、魔法無効を誘い出すために本来ベストではない順でカードを使わせたりすることがあれば儲けものです。

サイドボードのない1本戦では、「シャイニング・レイン」を採用しない選択肢も大いにあると思います。環境とプレイスタイルとじゃんけんの腕前!を考慮して判断されるとよいかと思います。

ロイヤルティ

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3枚。今環境で非常に重要なカードで、流行りの 次元・導き型天球・ガルパピコ全般・黒ずくめ あたりにことごとく有効な札です。それ以外にもカオス・竜牙・LO黒竜 など何人かいそうと思っていたデッキにも有効と見ていました。

じゃあ4枚とればという話にもなるのですが、「クロス・インタセクト」や「シャイニング・レイン」と比べて2枚目がそこまで強くないカードで、優先度を検討した結果、ロイヤルの枚数を落とすという形に落ち着きました。サイドから4枚目を投入することも多かったため、かなり迷った部分ではあります。

サイドボード

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布告 「決占」

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ミラー後攻とAfterglow対面で入れます。

ミラーは「クロス・ペアー・スラッシュ」で初動の盤面が消えてしまうのをケアするためというのが大きいです。ただ、「導きクロス」盤面が揃っている状態からではそう簡単には剥がせないので先攻ゲームでは「シャイニング・レイン」をはじめとした妨害札の方を優先します。もうひとつ、攻撃力アップの効果もミラーでは重要で、「クーペ」や「カエルム・レクス」の単体攻撃が相手の「ジャイロン・マグナ」に届くかどうかが「決占」の有無により変わってきます。

Afterglow は、こちらのターンで設置とアイテムを触る手段が非常に限られているため、設置「占闘準備」で無効化耐性を付けて、アイテム「カエルム・レクス」で破壊バウンス耐性を付けてからモンスターを展開すれば、「決占」がなくとも動けることは多いです。とはいえ、「決占」はあった方が確実に動きやすいため、サイドから入れます。攻撃力アップもひまりのデバフで詰みにくくなる効果があります。

メインに入れない理由は、前回Vol.1でも書いた「アタックフェイズ後のドローの質を上げる」という部分と、「カエルム・レクス」と「導きクロス」の付与する耐性のみで十分盤面を守れる相手の方が多いことがあります。好きなカードなんですけどね。

クロス・ペアー・スラッシュ

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主にミラー対面で入れます。

2択の効果がどちらも高水準の非常に優秀なカードで、メインからたくさん積んでいる構築も多いと思います。環境上位の中ではミラー戦においては重要な役割を果たすカードです。

しかしこのカード、ガルパピコにはなかなか上手く効きません。そう、「まりな🙋」&「やまとまや」です。

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まりなさんは全デッキ4枚必ずいるでしょうし、やまとまやさんもパスパレ以外への出張もあるカードです。キャラの除去が難しく、減らないバーンダメージ(貫通や必殺技も含む)が飛んでくる状況で、「クロス・ペアー・スラッシュ」を持っていてもどうにもならないということが多くあります。

また、次元相手も「ドロル」の存在により破壊効果はなかなか有効に使えず、ダメージ軽減をしても10点が8点になるだけでしんでしまうということもざらです。

今回はメインデッキでは他の妨害カードを優先し、サイドボードに落とすという判断でした。

バディブロック

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連パンで攻めてくるミラー、ロゼリアなどに入れます。

3回分の攻撃を横へ誘導できる「ジャイロン・マグナ」の登場により評価の上がったカードです。連パン対面では「バディブロック」のようなカードと合わせて、ジャイロンのソウル枚数の維持が重要となります。

似た役割で「フェイズシール・チェイン」を入れた構築も見かけますが、次元竜の「D・オルタレーション」やガルパピコの「さーくる崩壊!?」などフェイズ終了札が環境に多く存在する現状では、その対策カード(「エンドゲーム・スタディ」「新たなる聖戦への衣装」等)も当然のように採用されているため、一長一短あって決して悪いカードではないのですが少し環境に合っていないかなと思います。

王クロス

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「王クロス」の2枚目。パスパレ対面で入れていました。

全体貫通パンチで倒せそう or それ以外に勝ち筋がない(パスパレ)相手に増量します。

サーチがあるとはいえ、1枚の場合はゲージ等にいってしまって触れないことがそれなりにあり、確実に触りにいきたい場合は2枚以上必要です。今回のメインデッキは王クロスの他にロストのプラン(むしろロストの方を第一に考えています)があるため、1枚採用となっています。

ロイヤルティ

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「ロイヤルティ」の4枚目。相手のデッキを確かめてしっかり効く相手なら4枚にします。前述の通り今環境は効く相手が多いです。

その他の選択肢

セレソシエーション

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用途が多彩で器用なカード。ギリギリまで1枚残そうか迷っていました。

手札から追加コールの方は、攻めのクロスコール、守りのジャイロン・マグナコールがともに強烈で、相手の想定を大きく崩すパワーを秘めています。クロスに関しては、「天占の昇光」のおかげで2枚目を確保することも容易となり、切り札としての役割を持てるカードです。

バウンスの方は、次元竜アゴニアに当てるのが最も有効ですが、耐性持ちが多くまりな🙋もいる今環境では除去目的で有効に使える場面はそれほど多くありません。自モンスターも対象に取れるため、アタック後のクーペを戻して追撃したり、1度出したフレットを戻して出し直して事故回避のような使い方もできる点は優秀です。

今回は妨害に重きを置いたため、その点に関して言えばモンスター単体バウンスは環境に合っておらず不採用としましたが、総合的に見れば力のあるカードだと思っています。

さいごに

どうでもいいかもしれないのですが、ちょっとしたこだわりポイントとして、《天球竜》属性以外のカードをパッと見で判別できるように、「シャイニング・レイン」を旧枠、「スタービリーバー」をWINNER仕様にしていたりします。ドロップに落ちてる時に、「カエルム・レクス」と「ジャイロン・マグナ」のコストが何枚あるかをわかりやすくするためです。今回準備の段階ではわざわざ新枠の「シャイニング・レイン」を買い足したりしたんですけどね、いやほんとこれどうでもいい話かもしれない…

ここまで Vol.2 ということで、

つ づ く

お決まりのやつ

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